自然素材の取組

date: 2014.03.23

もう三月も終わろうとしているのに、今年初めての更新です。
昨年から取組んでいる住宅にかなり神経を集中させているのが更新できなかった理由(言い訳?)なんですが、今までと正反対の取組みなので、余裕が持てませんでした。
店舗業界では、最新の素材や最新の表現方法を常に追い求めています。現在は、ほぼ全てがシックハウス対策済みの資材しか出回っていませんが、正直言って、法令遵守だから安全と承認された物を使ってるだけであって、本当に健康の事を考えてお店を作っている人はいません。私自身も何も気にしてませんでした。しかし、ここ数ヶ月、住宅を自然素材で造り、本当に健康で暮らすという事を調べ、勉強していくと、色んな事が見えてきました。
まず、シックハウス対策済みでF☆☆☆☆(フォースター)の認定がついて安心だと思っていた建材は、たった2つだけの化学物質含有量をクリアしてるだけでした。簡単に言うと建材メーカーの都合のよいようにしか作られてないという事です。建材を作るのに便利なものは検査しないでいいようになってるんですね。ハウスメーカーが健康住宅とうたっているのは、甘々の基準を満たしてるにすぎないのです。さらに、そのハウスメーカーを批判して本当の自然素材だけの健康住宅と言ってるとこも、こうしないと病気になりますよと思わせるような半ばオカルト的な売り方をする人が沢山いるようです。調べれば調べるほど、人間不信になりそうでした。そうして辿り着いた結論は、みんな結局 金儲けでやってるんだな、、、という事でした。本当に人体に悪影響を及ぼさないのはどれなのか、資材探しが始まりました。

そこから、色んな資材を調べ、実物を取り寄せ、気密性が大事なのではなく呼吸する壁という考え方が大事なのだとわかってきました。
さらに、旧友に教えを乞うため、実際に福岡まで足を運んでみました。高校の同窓生で唯一職種が近い友人が私の実家の近く、朝倉市杷木町で製材所をやっているんです。
彼のブログを見ると、その知識の奥深さに圧倒され、木に対する愛情・情熱にとても感銘を受けました。心強い味方を得る事ができ、色んな事が大きく前進していくのを感じました。
日田
同時に、たくさんの本を読みましたが、施主様から頂いたこの本で、心が晴れた気がしました。日本一のカンナがけの腕を持つ大工さんなんですが、この人の取り組み方は素晴らしい。そこに住む人のことを一生懸命考えて造っているんです。決してお金ではなく、使命感に取り憑かれたように追求していく姿が心を打ちます。引く手数多のはずなのに、健康住宅を売りにした商売で儲けようともしていません。
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私の本業は店舗デザインなので、常に住宅関係をやっている訳じゃありませんし、まして家造りを金儲けの道具とはみていません。今回は特に、本当にそこで生活する人のことを考えたいと思う気持ちが大きくなっていたので、この本に共感したのでしょう。
この本には、ほんの少しの化学物質にもアレルギー反応を示すご夫婦の家を根気強く最後まで造った話しがあります。水道管1本にまで気を配らないと反応してしまうそうで、その壮絶なやりとりは、普通では不可能です。阿保さんの飽くなき探究心と根性には脱帽です。
これだけの知識や技術や情熱があって初めて完成する自然素材の家。この本には、この資材を使わないとダメだとかそんな話は一切ありません。
他を非難する人、こうしないとダメだと断定する人は、それを利用して金儲けをしようとしているだけなんだなと、この本を読み終わってつくずくわかった気がしました。

矛盾するような表現ですが、突き詰めて考えると、最後は施主にとってどれだけ居心地のよい家になるかが重要な事ではないでしょうか?自然素材にこだわるあまり、利便性が著しく損なわれたら快適な住まいではないと思います。大事なとこはキープしつつ、どこで線引きするか、施主が自ら判断を下せば納得の住まいができるのではないでしょうか?
「全てはお客様の為に」という以前からテーマとして心がけてきた原点に戻れば、自ずと答えが出ると思いました。
これからが勝負です。心強い仲間とチームを作っているので間違いなく成功させます!